心の酢〜上澄み無濾過
戸塚醸造店さんの「心の酢」は、有機栽培米と富士山伏流水だけを原料に、昔ながらの静置発酵で丁寧にじっくり時間をかけてまろやかな味に仕上げています。
やさしいなかに濃厚なお米のうま味と甘味を感じるその味わいの秘密はなんでしょうか?
その秘密は「原料」「製法」そしてつくり手である戸塚さんの「想い」にあります。
原料は有機栽培米と富士山伏流水のみ。あとは麹菌や酵母、そして代々引き継がれている酢酸菌がお米のうまみを最大限に引き出していきます。
近年流通している大半のお酢は「速醸法」という醸造アルコールを短期間で発酵させたもの。通気撹拌しながらの酢酸発酵で約1日、熟成に約1ヶ月。すっきりとした味わいに仕上がります。
戸塚醸造店では、伝統製法である米と水だけを原料に「静置発酵」でじっくり仕上げます。麹づくりから始まり、酒精発酵・酢酸発酵に約5ヶ月。そして熟成に約8ヶ月かけ、様子を見ながらお米の味わいを最大限に引き出しまろやかな酸味に仕上げています。「酢酸菌は生き物なので、その時期の気候や原料の状態によっても様子が変わる。」と、戸塚さん。仕込みの時期になると、戸塚さんは毎日それぞれのタンクや甕(かめ)の中の様子をチェック。
「酢酸菌が元気な状態をつくっている」と戸塚さんはおっしゃいます。
そして、静置発酵の中でも戸塚醸造店では特別な点があります。
1つ目は「発酵の仕方」。
大半の静置発酵ではお酒をつくった後、酒粕を分離し殺菌してから酢酸発酵へと進めるのですが、戸塚醸造店の場合はそのまま甕に移してもろみごと酢酸発酵へと進めます。そのほうが酢酸菌も元気で味わいも豊かになるそうです。雑味が出るリスクもあるので、毎日もろみの様子を見ながら撹拌や調整をしています。
そして 2つ目は「無濾過」。
一般的な製法では濾過して雑味を取りクリアな味わいに仕上げるのですが、戸塚さんのお酢は丁寧にじっくり熟成させているので、濾過はしなくても綺麗な味わいで、その分うま味も残っています。
もろみが沈んだ「上澄み」だけを瓶につめこんだものが商品になります。
味わえば、これまでのお酢のイメージががらりと変わるそんな逸品です。

手間と時間をかけてじっくり熟成〜天然醸造純米酢「心の酢」〜
コーディネーター
門之園知子
つくり手からのおいしいヒント
まろやかさが特徴の「心の酢」は、そのまま飲んでも美味しいので普段の酢の物や酢漬けがワンランク上の仕上がりになります。例えば、フルーツマリネはいかがでしょうか。季節の果物をカットし、「心の酢」と砂糖を混ぜたソースで和えて冷やすだけで爽やかなデザートになります。アイスクリームのトッピングとしてもおすすめです。また、オリーブオイルや塩、胡椒、ハーブなどを加える自家製ドレッシングに「心の酢」を使ってみてください。そして、お寿司にも。まろやかな酸味がシャリとよく合いご自宅で本格的なお寿司が楽しめます。
さまざまな料理に取り入れて、その豊かな風味をお楽しみください